周囲への乳がん報告と「疑似家族小説」

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2022年4月。
D病院からの入院日時確定連絡を待つ日々でした。

乳がん全摘+同時自家再建手術の予定日はざっくり5月下旬と言われているので、入院準備の時間は十分にあります。

この間に仕事や家事の段取りをして、今々必要と思った人に乳がんの報告をしました。

親しい友人への報告

乳がんについて、中学からのツレ・馬山さんには生検直後に話しています。
35年以上一緒にいると最低限のマナーを無意識化で守りはするものの、話題の禁忌もないので話が早いです。

そしてこの時期、親しい友人二人にもお知らせしました。

菜子さん(長男生まれて以来のママ友 / 歴:20年)と、牛山さん(次男生まれて以来のママ友 / 歴:15年)さんです。

「乳がんだったよ」と友人に知らせるタイミング
2022年5月に乳がんの全摘+同時自家組織再建(腹部)手術を済ませ8ヶ月。大学時代の友人が抽選に当たり、さよならシャンシャンで上野動物園に行きました。「実は乳がんだったんだ」と友人に告げるのは7人目ですが、言い出すタイミングは毎回迷います。


菜子さんとお話ししたのは、小石川植物園のイロハモミジの下のベンチでした。

ともに後援会員で気軽に行けることもあって、時々一緒にお散歩しています。
「長男同士が幼児の頃、遊び場はいつも植物園だったな」と懐かしいですね。

小石川植物園202204ちょうどその時撮った写真がありました。終わりかけの桜がうっすらと。

静かに私の話を聞いてくれた彼女は文筆業で、奇しくも乳がんの記事を書いている最中でした。

この頃結構乳がん通、いや乳がんいっちょ噛みになっていた私は、「また面白い巡り合わせ来たなぁ」と思い、現状を中心に今自分を取り巻く乳がん事情をあれこれお喋りしました。

そこで「記事を書くにあたって大病院の有名な先生の本を読んだ。けれど記述が難しく、あなたの話の方がずっとわかりやすかった」「書く時に参考にさせてもらった」という感想をいただいたんですね。

専門性は一つも及ばないですが、ホットな情報で浸透しやすかったのかな。
思えば菜子さんの言葉の後押しあって、今ブログをやっているのかもしれないですね。


もう一人の友人、牛山さんとはカフェで会いました。

当時ちょうど終盤を迎え、ヤンジャンアプリで全話無料開放になっていた「ゴールデンカムイ」の話で盛り上がりましたよね。(落ち着いた古民家カフェで。。。)

何杯もコーヒーをおかわりして、尿意に苛まれつつ多方面に話は尽きず、その合間に(?)乳がんだったこと、5月に入院して手術することを報告しました。

牛山さんもやけに悲劇的になることもなく冷静に、そして親身に聞いてくれて、「あぁ、ありがたいなぁ」としみじみ思いました。

2人とも穏やか朗らかな人柄で、一本筋が通った真面目な性質です。
長年の付き合いもあり「多分こうだろうな」と思った通りの反応で、ホッとしたのを覚えています。

「入院中必要なものが出てきたら遠慮せず声をかけて」「再発リスク低下のために退院したら一緒にウォーキングしようね」という気遣いも嬉しかったですね。

両親への報告

それから実家にも報告です。

姉に一足先に乳がんについて知らせた際、大層心痛めたその様を見て、実家の両親に話すのはできるだけ遅くしようと決めていました。

案の定というか(父はともかく)話を聞いた母のショックは大きく、心配され悲しまれてしまいました。

でもね。。。

でも気づくと、いつも通り母のお悩み相談の聞き役になってるんですよねーーーッ。
まぁ昔からそういう役どころなんだけど、「こんな時でもそうなのか」とちょっと笑いました。

いえ離れて住む娘として、話を聞くのが一つの親孝行だと思っていますし。
嘆く母を慰めるため、あれこれ話さなければならない状況よりずっといいんです。

しかし自分の来し方に触れる時、長じてから冷静なタイプの夫を選んだことや、色々経て今身近にいてくれる友人は平らかな人が多いというのは、何とも面白いなと思います。

家族も友人も実家もみな大切なんですが。
大病を人に告げる時というのは、相手との関係性を可視化できるタイミングかもしれませんね。

「疑似家族もの」が好きな自分を振り返る

さて私は昔から、疑似家族ものが好きです。
最近ヒットしたものだと「SPY×FAMIRY」もそうですね。

あとは瀬尾まいこの「そして、バトンは渡された」。(以下、敬称略)
今村翔吾の「じんかん」も凄くいい。「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」を彷彿とさせます。


忘れてはいけないのが魚住くんシリーズ。
疑似家族ものは榎田尤利(ユウリ)の真骨頂だと思います。


「とても好きなもの」と「視界に入れたくないほど苦手なもの」って自分の核と関係していますよね。

生来の環境や相性の中で足りないと思った成分は、生きて行く道すがらで調達する。
それは、ほんの通りすがりで巡り会った人からふとした瞬間にもらえることもある。
関係性が友人や恋人に移り変わっていったりもする。

実家の家族からかけてもらったものと、今ある人間関係からもらったものを、すり合わせたり補ったりしながら生きて行くんだと、あらためて考える50歳の春でした。

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