2022年、4月。
乳がん手術の入院予約手続きも終わったこの頃。
一番「どうしよう」と思ったのは仕事のことです。
私は在宅デスクワークのパートタイマーをしています。
仕事の大きな波は越えた後でしたが、約10日間、もしかするともっと長いお休みをお願いした時、どのような反応が返ってくるかは未知数でした。
実はこの会社には、半年前に入社したばかりだったのです。
治療・手術で「仕事をやめたくない」
私は20代の頃から、かれこれ20年以上ネット界隈で仕事をしています。
結婚を機に退職した以降は、パートとして「また流れるでござるよ」という具合で様々な会社にお世話になっていました。
3年ちょっと前には、長く在籍していた会社を辞めました。
そして直後にコロナ禍となり、諸々の事情があってパートを始めることができずにいた時期があります。
で、スキマ時間を活用したくて、クラウドソーシングサービスを使って在宅仕事をしていたんですね。
クラウドソーシング、いわば「作業を外部に発注したい企業」と「在宅で働きたい個人」をマッチングするプラットフォームです。
家にいながら好きな時間に仕事が出来る。
本当に便利な世の中になりましたよね。ありがたい。。。
しかし、これね。
時々、ホントどうかなって思うようなクソ案件が紛れているもんなんですよ。
「傘張りの内職をする江戸時代の浪人もかくや」という低賃金で働かされたり、「テストライティング」と称したタダ働きをさせて、書かせたものを流用し、本人には「不合格です」と言ったりね。
はたまた継続的に安い働き手を得たい企業が、突如クラウドソーシングサイトに出さず、DMから勧誘の連絡をしてきたりします。
普通にやっちゃダメなやつですね。
SNSで届く謎の副業メッセージみたいなもんです。はっきりとした詐欺案件も混ざってます。
この頃私は、野良在宅ワークの中では優良なところでお仕事をさせてもらっていました。
が、それでも「復職へのリハビリ、かつ空白期間を作らないためだからできる」という実入りで、割に合うかと問われれば即答できません。
我々は第二次ベビーブーム、かつ就職氷河期キックオフな世代です。
世の中の辛酸をバリエーション豊かに舐めてきたと思っていましたが、闇って奴はいつの時代もどこにでも広がってるもんなんですね。勉強になるよなぁ。
そういえばブラック企業って中国語では「血汗工場」と言うんだそうですよ。わかりみしかないですね。
血と汗の話はいくらでも喋れちゃいますが、本筋外れるのでこれくらいにしておきましょう。
とにかくそうした期間を経て、また様々な会社を見てから今の会社にパート入社した私は、働きやすい現在の環境に心底感謝しているところでした。
それでこの苦労して辿り着いた優良企業の仕事を「病気のせいで手放すことになるのか」と焦ったんですね。
パートでも「有給休暇もらえます」
結論から言うと、おかげさまで仕事は休めました。
しかも半年勤めた後ということもあって直前に発生した有給休暇を、一気に全部使わせてもらいました。
ありがてェ、、、
ホント足を向けて眠れないです。
ていうかそもそも、長らく数多くの会社でパートしてきましたが、公然と有給を謳ってくれたのはこれで2社目でした。
そして本当に取得したのはここが初めてなんだよなぁ。
法律にも規定されていることなんだけど、条件を満たせば「パートでも有給休暇をもらえること」を知らない人だっているんじゃなかろうか。
そして、これまで在籍した比較的ホワイトな会社でも普通にスルーだったので、そもそも会社側が知らない場合もあるのでは。
就職活動をする際には、「絶対受かりたい」という気持ちが強く、希望の条件を言い出せない場合もあるかもしれないですよね。
ただ、労働条件について尋ねるタイミングで軽く質問してみてはどうかなと思います。
特に法令順守を重視する企業や、母体の大きいところは付与してくれる感じです。
ざっと調べたらイオンやニトリなど、パートにも手厚いですね。
ほんの数日であっても有給休暇があれば、入院や通院の際に気をもむこともありません。
私の場合は、有給消化に加えて、入院前にシフト多めに働くことで、できるだけ職場に負担をかけないように気をつけました。
求職中のサバイバーの方へ
それから、こちらを目にする方の中には求職中の方もいるかもしれません。
病気に向き合うためにやむなく離職されたり、逆に治療費を考えて働きたいと思ったり。状況は様々かと思います。
あらためて求職活動をしてみると、年齢や体調の関係で「以前よりハードルが高くなったな」と落ち込んでしまうこともありますよね。
でもね、もしも面接がうまくいかなくても必要以上にがっかりする必要はないです。
パートの面接は「お見合い」でしょうか。それとも「美人コンテスト」でしょうか?
答えは「お見合い」です。
自分の都合と先方の都合が合致した場合に成立するものであって、「美人コンテスト」で優劣をつけて落とされるのとはわけが違うのです。
企業から必要とされていないのではなく、たまたま互いの相性や都合がかみ合わなかっただけなんですよ。
もしも、なかなか良い結果が出なくて暗い気持ちになっている方がいるとしたら、どうぞがっかりし過ぎないでくださいね。
「ブラック企業」「社畜」「パワハラ」「マタハラ」なんて言葉が存在しない頃から働き、就職氷河期やリーマンショック、コロナ禍を経ての視点ですが、今は中年パートにとってそこまで働きにくい時代ではないように感じます。
身近に採用担当者がいる立場なのですが、現場からは以上です!