入院1日目②「牢名主との遭遇」

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2022年5月下旬。
入院一日目の午前中、センチネルリンパ節生検が終わりました。

入院1日目①「センチネルリンパ節生検」
2022年5月下旬。ようやくD病院入院の日がやってきました。午前中に受けたセンチネルリンパ節生検は看護師さんや検査士さんに「痛いですよ」「ギュッとつねられる感じ」と散々言われました。インフルエンザの予防接種に毛が生えた程度の痛みでしたけどね。

初日って意外とやることが多くてですね。
なかなか腰を落ち着けることができません。

翌日に手術を控え、形成外科や麻酔科を受診する。
院内コンビニで買っておくよう指示を受けているものもある。
患者衣やタオルのレンタルもしなくちゃいけない。
シャワーを浴びる。
書き込む書類も諸々ある等。

そんな中、この日一番のびっくり体験がありました。

牢名主によるまさかの雪隠詰め

昼食もシャワーも済ませた午後。
形成外科の受診時間が近づきます。

「今のうちに行っておくか」と、トイレに入りました。

そうしたらですね。
急にトイレの電気が消えたんですよ。

ちなみにトイレは各病室に一つあって、トイレ入り口の外に明かりのスイッチがある一般的なタイプ。

もちろんトイレなんで、明り取りの窓が大きく開けられている作りじゃないし、電気が消えれば中はほぼ真っ暗です。
一瞬「え、停電??」と思いました。

でもね、明らかにトイレの外に人の気配がするんです。

点け直す感じがなかったので、こちらから「あの、入ってますよー」と声をかけました。
が、全く電気を点けてくれる雰囲気がない。。。

え。

これってあれ?
新入りが受ける洗礼的なやつ??

時代劇の牢屋敷で「入れ」とか言われて格子の中に入ると、牢屋の中の一番いい場所に畳が高く積み重ねられてて、そこに牢名主が座ってるみたいな。

で、牢名主が「やれ」と命じると手下が襲い掛かってきて、新入りは身ぐるみはがされ一番下座(トイレのそば)に転がされるみたいな。

すごい、リアル雪隠詰めだよ!!!

なんて言ってる場合じゃなく。

「おいおい、随分なご挨拶じゃねーか」と思いましたが、もう50歳のいい大人なので、普通に「すみません、電気点けてもらえますか」と大きめの声で言いましたよね。

で、しばらくしてようやっと明かりが点きました。
ただ「すみません」の一言も聞こえてこない。

点灯する前にカオナシ風の「あ・・・あ・・・」という微かな声が聞こえた、ような、気もする。

何を言っているかわからないと思いますが、私も何をされたのかわからなかったです。
目を白黒させながらトイレを出ました。

すると、窓に寄りかかってニコニコしている女性が目に入ったのです。
年の頃は65歳くらいでしょうか。

トイレから一番遠い窓際の個室スペースですね。
仕切りのカーテンが全開になっていて、窓からは燦燦とした日差しと五月のそよ風が。
その窓の方から笑顔でこちらを見ているんですよ。

病室には他に誰もいないので、明らかにこの人が電気消したんだよなぁ。

戸惑っていると、挨拶も何も全てすっ飛ばし「〇時からリハビリの時間なんだけど始まらない。なかなか思い通りにならない!」と、突然の自分語りが始まったんですよ。

〇時ってまだ充分時間あるし、昼寝でもしとけよ。
藪から棒に始まった自分語りは私に1㎜も関係なく、立板に水で喋ってるけど色々大丈夫だろうか。
ていうかそもそも、、、誰?

そしてまだ一言も謝られてないよなぁ。
別にペコペコしてほしいわけじゃないけど、こういう時は自動的に「すみません」って口から出るもんじゃないだろうか。

すごい勢いで頭をフル回転させて導き出した答えが、、、

「こいつぁ、ヤベェ」

でした。

牢名主は相変わらず相手の返答を必要としない喋りを続け、笑みを浮かべながら一直線に近づいてきます。

こちらも満面の笑みで「そうなんですか~」「診察あるので失礼します~」と、自分のスペースに入って即効カーテン閉めましたよね。

実際もう10分後に形成外科の時間が迫ってましたし。しかもコロナ禍ですからね。
話し相手をお求めの牢名主に付き合える状況ではなかったんですね。

荷物を持って、すぐさま外来病棟へと向かいました。

ありのまま今起こったことを話すぜ

入院中は自分第一で

いやー何というか。
正直手術前より緊迫感が走った。
そして狐につままれたような気分でした。

トイレの電気を間違えて消したけど、認めたくなくてなかったことにしたのか。
それとも話すきっかけづくりで電気を消したのか。

もしかして私は気づかなかったけど、カオナシの小声で詫びてくれていたとか?
(しかし自分語りの大ボリュームを顧みると、とてもそうは思えない)

何れにしても。。。
怖すぎんだろ。

夜になってからわかりましたが、この人は不安になるとひたすら喋るタイプらしいです。
看護師さんに何度も同じことを言って、宥められてました。

私は翌日の手術後に3日間HCUに入るので、この牢名主とは幸い半日のお付き合いでさよならだったんですけどね。

入院患者は誰しも身体や心に不調を抱えています。
だから「自分、絶好調!」なんて人はいないわけで、ちょいちょいこんなこともあるんでしょう。

牢名主さんは「リハビリが」と話していたし、乳がん手術後で身体や心が不安定だったのかもしれません。

でもなぁ。
もちろん自分に余裕があって、やり取り楽しめるならいいと思います。
が、命に関わる病気の入院時って、そんな優しさリソースはなかなか割いてられないですよ。。。

これから入院される方は、手術前後くらいは自分第一に。
ストレスを溜めずに好きな本を読んだり動画を観たりして、少しでも気持ち良く過ごしてくださいね。

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