入院10日目「退院前日、虹がかかる」

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2022年5月下旬。
乳がん全摘+同時自家組織再建手術(腹直筋皮弁法)から8日経過です。

朝食後、10時頃にはフリーになりました。
院内コンビニまでお散歩したり、サブスクで動画を見たり、同室の方とおしゃべりしたりと呑気にやってます。

入院9日目「抜糸時にお腹の傷をじっくり見る」
2022年5月下旬。乳がん全摘+同時自家組織再建手術(腹直筋皮弁法)から1週間です。抜糸をしてもらう時に初めて傷跡を見ました。でね、傷の縫い目がですね、あの人の額と完全に一致でびっくりしましたよ。この頃の体調についても書いてます。

リハビリ問題なし→退院決定

この日ようやくリハビリの運びとなりました。
問題がなければ翌日退院できるとのこと。

そんなわけでリハビリ室に移動です。

「リハビリ室」というと、様々な器具があったり、こう、バーが2本並行に立っていたり。
でもって療法士の方が励ましてくれて「クララが立った!」みたいなイメージがあります。

が、実際行ってみると、そこはモニターとパイプ椅子がいくつか置いてある小部屋でした。

モニターに映し出されるリハビリ体操の動画を見ながら、椅子に座った患者が真似をしていくという流れです。

術式や病状によるとは思いますが、ここでリハビリを頑張るというより、「一通りできるかチェックし」「家に帰ってから継続」という意味合いなんだろうなと思います。

具体的な動作としては、合掌のポーズのまま腕を頭の上へ高く伸ばすようなもの。
ストレッチ的な動きが数種類あって、10分程度で済みます。

どれも簡単な運動ですが、実際にやってみるとやはり手術をした側の右腕は上がりにくい感じです。

ただ「凝り固まっている」という感覚なので、次第に良くなっていくのではないかな、という気がしました。
私の場合はリンパ郭清がなかったので、この程度の違和感なのかもしれません。

そして午前・午後のリハビリともにスムーズに終わり、翌日の退院が確定しました。

豪雨の後にかかった「退院前日の虹」

「2週間ほどの入院」と言われていたところ、早々に退院が決まったため、夫や家族、友人はとても喜んでくれました。もちろん私自身も嬉しいです。

さてこの頃、中学生・次男は中間考査中。
夫は相変わらず炎上案件対応中。朝から晩までMTG、その後資料作り、方々への指示出し、採用面接とパンク寸前です。
そして私は言わずもがなですが、まだまだ平常運転とは言い難く。

うーん。
うーん。。。

か、、、帰りたくね~~よ~~。
(あ、言っちゃった)

家大好きの私のホームシックさえ凌駕する、D病院の安心感。
の、おかげなんですよね。

誰が悪いわけではないけれど、人間余裕がないと周囲のフォローに回れないものですから。
帰宅後、普段通りできないあれこれを手伝ってもらう、それを考えると気が重いのです。

夫も息子も優しい人です。お願いすればやってくれるでしょう。

が、これまでの20年間家のことは基本的に私がやってきたという、前提をひっくり返すような状況で、どこまで皆気持ちよく過ごせるかは未知数でした。
在宅とはいえ、仕事もありますし。

入院8日目②「退院日決定と心の揺れ」
2022年5月下旬。乳がん全摘+同時自家組織再建手術(腹直筋皮弁法)から6日の続きです。いよいよ退院日が決まり、周囲の皆は喜んでくれました。でも、自分だけは「心から嬉しい!」と思えない。今回はこの頃のちょっと複雑な気持ちについてです。

さらに、この日の夫とのやり取りを見るとですね。

✎︎___
夫「豚汁作っておくから、とにかく帰ったら安静にせよ。ちゃんと指示に従うように」

私「豚汁くらい目をつぶっててもできる。ある程度動くのもリハビリ。しゃがめないので風呂掃除頼む」

夫「帰宅も絶対にタクシーを使うこと」

私「週末退院なので、多分タクシーが病院前にいない。キャスター付きトランク(小さいの)を杖代わりにすれば歩けると思う」

夫「、、、」
___

という感じでして。

夫は先のまた先を読むような人なんですね。
周りよりも早く全体像が見えてしまう分、無駄なキャッチボールを省いて最短距離を行きたいタイプ。

「これが正解」と言える根拠がある場合(まぁそれも個々の物差しだと思うけどなぁ)、強めに意見を言ってきます。

後から振り返ると、この時の私は手術の影響で頭の調子がイマイチなわけで、そんな状態で徒歩帰宅したら危ない、という夫の言い分は多分かなり正しいのかも。

でもだからと言ってわざわざタクシー?
何なら最寄り駅より自宅の方が近いくらいなのに。

普通では考えられないようなエクストリーム手術をしてもらって、HCU(高度治療室)でお世話してもらうような(先生と看護師さんが)大変な日々を過ごしてきたのに。
何をこんな小さなことで煩悶しているのか。。。

夫が私のために良かれと思って色々心砕いてくれているのはわかります。
でもよ…時には「放っといてくれよ、おかん」みたいになるんだわ。反抗期なのかな。



そんなことを考えていた時、ゲリラ豪雨が訪れました。
梅雨近くお天気が不安定な頃です。

窓を叩くような激しい雨が通り過ぎてふと外を見ると、何と大きな虹がかかっているではないですか。

病棟が高層階だから気づいたんですね。
いつも雨上がりにはこんな風に虹が出ているのかもしれない。私が知らないだけで。

「止まない雨はない」より先にその傘をくれよ(米津玄師)だけど、パッと上がってくれればホッとするし、虹が出るとウキウキします。

病室から虹をぱしゃり。
廊下のあちこちの窓の外もぱしゃぱしゃ撮って回りました。

「明日のこの時間にはもうD病院にはいないんだな」と思い、D病院のあれこれに感謝しながら。

動ける、動ける。
明日はちゃんと帰れそうです。

病棟の窓から見た退院前日の虹

この時元気をくれた虹をアップしておきますね。

雨粒の向こうなので、ちょっと見えにくいですけど。
これから入院する方、今色々なことでお困りの方に、どうかご利益がありますように。

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