振り返り記事お休みで、現在(2023年9月)についての近況エントリーです。
2022年5月に乳がんの全摘+同時自家組織再建手術を済ませ、1年3ヶ月経ちました。
(同年10月の補助的手術からは10ヶ月)
2学期が始まりましたね。
暑い暑い夏が終わっていきますね。(まだバチクソ暑いですけど)
我が家の息子たちは大学生と高校生なので、もう「夏休みだからお世話が大変」という時期ではありません。
小さい頃はじゃぶじゃぶ池やアスレチックに連れていって必死に消耗させてたよなぁ。こっちが先に消耗したよね。
特に小学生以下のお子さんがいるご家庭の皆さま、本当に本当にお疲れさまです。大変ですよね。
でもね、子どもが大きくなるのって意外とあっという間でして。
そして大変な時期と可愛い時期は、もれなく重なってたりするもんで。
ねー。
やっと訪れた秋。
今度はご自分を大切に、夏の疲れを癒してくださいね。
最近の体調と「タモキシフェンの影響」
A乳腺クリニックで、3ヶ月前に受けた「術後1年検診」の血液検査結果を受け取りました。

おかげさまで腫瘍マーカー、問題なしです。
ホッとしました。できるだけ、このまま行けるといいなぁ。
しかしね、ただ一つだけ数値オーバーしているのがあってね。。。
それがッ、中性脂肪ッ!!
ちゅうせいしぼう。。。もう響きからして受け止めがたい。
こんな時こそ英語表記とか採用してみてはどうだろう。
数値を見て固まっていたら「これくらいなら大丈夫ですよー。焼肉食べた後とかすごいんですよ」と慰めてもらっちゃいました。
院長先生優しいな。。。
しかし、これまで低かった中性脂肪が上がって、高めだったLDL(悪玉)コレステロールが下がる。
タモキシフェンですねぇ。教科書通りの副作用。
(さらに血圧上がったし、白内障の所見も出ているんだな)
血液検査で見ると、おかげさまで女性ホルモンの数値もしっかり抑えられているそうです。
つまり薬の効果が出ている。だから、まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよね。
でもさ、これだけ副作用が出てるんだから、メリットだってちゃんとあるはずですよね。
一方で再発リスクは下がっている。きっとそうだ、そうなんだ。
乳がんホルモン療法(タモキシフェン)を始めて1年ほど。
色々あってもまぁまぁ普通に元気なので、定期的に各科を受診しながら副作用とうまくつきあっていこうと思います。
夏のご褒美「永井紗耶子さんのサイン会」
さて、暑い夏を乗り切ったご褒美にお出かけです。
「自分を大切にしてやるぞ!」と、丸の内の丸善へ、てくてくと。
永井紗耶子さんのサイン会に行ってきました。
ご存知「木挽町のあだ討ち」がね、もうあまりにもツボで、好き過ぎてですね。
人生初のサイン会ですよ。
❝ ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生! ❞
(新潮社HPから引用)

芝居好きの方は「木挽町」と聞いただけでピンとくると思いますが、歌舞伎に関わるお話です。
歌舞伎が題材だと「難しそう」「興味ない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもこちらはたとえば疲れていても、「前向き」という言葉がしっくりこない気分の時でも、染み込むように伝わってくる本です。
歌舞伎好きな作家さんにままある、耽美な表現や、専門用語の説明でお腹いっぱいということもありません。
登場人物は悲しみ苦しみながら、最後はみなしっかりと自分の足で歩いていきます。だから、辛いくだりがあっても読後感がとても良いのですね。
まだ9月ではありますが、自分の中では本年度好きな本No.1です。
夏休み中、高校生の次男には5冊以上(私セレクトの)おすすめ本を渡しました。
その中で「別格の面白さ」と言っていましたね。
山本周五郎賞・直木賞のW受賞を知らせず読ませましたが、内容の面白さはもちろん、頭の中に江戸の情景が立ち上がるような文章の巧みさに驚いていました。
それからハッピーエンド好きな次男にとっても、この日頃の憂さや胸の澱を雪いでくれるような爽やかなラストが堪らなかったんだろうなぁ。
あ、、、次男普段ね、自主的に読書をしないので、我が家は連休があると勉強より何よりとにかく本を読ませる方針なんですよ。
つまりあまり「読まない人」まで楽しめるということです。
「あぁこれは何度も読み返すな」と思いました。
私も読むし、大人になった次男も読む。
足腰が立たなくなって、自分であちこちに行けなくなった時に、この本は最後まで身近にあってほしいなぁと。
永井紗耶子さんは、落ち着いた雰囲気の中に少女のような可憐さのある方でした。
声も可愛いかったなぁ。自分の名前込みでサインをいただくシステムなんですが、「素敵なお名前ですね」と言ってもらえて嬉しかった。
昔話になりますが、実は20代の頃はほぼ毎月歌舞伎を観に行っていたんですね。
中村吉右衛門さんが好きで好きで、10代の頃から吉見会(後援会)に入ってました。
宮島歌舞伎も姫路城公演も行きました。推し活してましたね~。
そんな経緯もあり、ご縁があっていただいたサインは歌舞伎役者さんのものが多いのです。
でも、演劇・音楽・文筆・絵画、通して、会場に行ってまで「サイン会」に参加したことはなかった。
久しぶりに「突き動かされて行動する」オタクな気持ちを味わいました。
こんなに「面白い」「好き」という気分を呼び起こしてくれた永井紗耶子さんに感謝。
サインしていただいた本は、末長く大切にしたいと思います。
☟関智一さんの朗読も聴けますよ~。耳福、耳福。