振り返り記事お休みで、現在(2023年12月)についての近況エントリーです。
2022年5月に乳がんの全摘+同時自家組織再建手術を済ませ、1年6ヶ月が経ちました。
(同年10月の補助的手術からは1年1ヶ月)
ストレッチさぼって筋トレしたら腰痛になったり、痛くて運動お休みしてたら太ったりしたけれど、私はげんきです。(←元ネタ…わかってくれる?)
ドラマ「セクシー田中さん」が終わってしまうことが今一番こたえてます。
新しい「死の教科書」
今日も小石川植物園で読書してきました。
ショクダイオオコンニャク(世界最大の花)の開花、牧野富太郎のミニ企画展、紅葉狩りでしばらく賑やかでしたが、人出もずいぶんと落ち着きました。
「極楽征夷大将軍」の余波で、最近ずっと南北朝物の時代小説を読み続けていたのですが、本日はこちら。
「人はどう死ぬのか」です。
読んでよかったです。
日本人が忌避しがちな「死」との向き合い方について、終末期医療に携わってきた医師が自己の体験を基に導きだしたひとつの答えが書かれています。
これは、自分の親にも、子どもにも読んでほしいなぁ。
年を重ねた末に、過度な長生きを強いられる世相。
回復の見込みがない状況で延命治療をすることの過酷さ。
安らかな死を迎えるために、家族・親族との死に際の擦り合わせがいかに必要かがよくわかります。
また難しいテーマだと思いつつ、「人気の死因、一位はがん」「がんで死ぬことの効用」のあたりはつい笑ってしまいました。すごい切り口ですね。
それから、「がんとの共生という戦略では、小さな転移はあっても許すという事前の心がけが大事になってくる」という言葉にふっと心が楽になりました。
「転移」を必要以上に怖れる必要はないのだなと。
私の怠けた扁桃体
(↑ 何かラノベのタイトルみたいになってしまった。。。)
少し本筋から外れますが、本書の1エピソードで面白かったのが「死に対する怖れ」の感じ方。
世の中滅法死を怖れる人がいる一方、死の恐怖など感じたこともない人(本書の例では著者のお嬢さん)もいる、というお話。
で、最近の脳科学では扁桃体の活動が低いと、不安や恐怖を感じにくい脳になることがわかっているのだそうなんですよ。
扁桃体の役割は、恐怖を記憶すること。
その記憶のストックが危険を回避し生命を守る。
だから扁桃体が健やかに発達することは、とても重要です。
ただ調べてみると、扁桃体が過剰に活動すると、ささいなストレスでも不安や恐怖を強く感じてしまうようですね。
私はといえば、自分が死ぬことについてはあまり怖がらない方かなと思います。
がん告知をされても、ステージ1と思っていたのがステージ2だと告げられた時も、あまり泣いた記憶はないんですね。もちろん動揺はしますけれど。
子どもがもっと小さかったら悲しみはもっと強かったと思いますが。
そして、乳がん患者さんのブログに感情移入して泣いてしまったことはありました。
でも自分がいなくなることは、それが自然の流れなら仕方ないのかなという気持ち。
投げやりなわけでは全くないんですけど。
扁桃体があんまり気張ってないのかもしれませんね。。。
(と言いつつ、いざ死に直面したら号泣したり嘆き苦しんだりするのでしょうか)
一定の情報は集めて精査する。
でも、考えてもどうにもならないことは考えない。
というスタンスも私の呑気な扁桃体を後押ししている気がします。
2023年秋の小石川植物園詰め合わせ
本書、面白くて植物園で一気に読んでしまいましたが、さすがに手先足先が冷たくなりました。
厚着をしてもかじかむ、底冷えする季節になったんですね。
おまけで、Instagramの方にポストした小石川植物園の秋を置いておきます。
皆さまも、お出かけの際には防寒対策をお忘れなく。温かくしてお過ごしくださいね。
植物園は梅の季節もおすすめですよ。